おまけ

ホップ祭り (Hoppestoet)

ベルギーの西外れの小さな町Poperingeで3年に一度開催されるお祭り。今年2002年は9月13日〜15日に開催予定。詳しくはPoperingeのホームページを参照。隣町Ieperで行われる「猫祭り」は「地球の歩き方」に紹介されるほど日本でも知られているが、なぜかこちらのお祭りは知名度が低い。

お祭りのハイライトは最終日の日曜に行われるホップ行列(Hoppestoet)である。なかでも、小さな子どもたちが小鳥に扮する出し物は感動ものである。ビール好きなら行っても損はないだろう。

1996年のホップ祭りの様子はこちら

ウンチク集

インターブルー Interbrew

ベルギー国内でダントツのシェアを誇る大ビール会社。 たくさんの醸造所を傘下におさめている。 例えば、Hoegaarden を作っている Hoegaarden 醸造所、 Leffe Blond を作っている St. Gilbert醸造所、 Belle Vue 醸造所など、日本でよく知られているベルギービールを 作っている醸造所の多くが Interbrew の傘下である。 インターブルーがくしゃみをすればベルギー中が風邪をひく、 とまでは言われていないが、 非常に大きな力を持っているのは確か。 例えば、ブリュッセル国際空港のカフェテリアやバーを見たまえ。 そこで出てくるビールはほとんど全てが Interbrew のビールである。

生ビール

日本では「生ビール」かどうかを結構気にして、 ビールの瓶や缶に「生」と書かれているが、 ベルギービールではこの「生ビール」を表す 言葉は瓶のどこを見てものっていない。 実は日本では暗黙のうちに「生」2つの異なる意味 (「樽からの」という意味と「熱処理していない」という2つの意味) を文脈によって微妙に使い分けていて、 瓶や缶に「生」と記されている場合は、 後者の意味で用いられている。 しかしベルギーでは、熱処理していないビールに何か特別の記述が あるかというと全くない。 そもそも「熱処理していない」という 意味での「生」に相当する単語自体が存在しない。

ちなみに、英語では「樽からの」という意味の単語は ご存知の通り draught である。 ブルッへ(ブルージュ)などベルギーのオランダ語圏で、 カフェのメニューに Van het vat ないし Van't vat と 書かれていたら、それは「瓶ではなく、樽に詰められた、 ビールサーバから出されるビール」を示す。 同じビールなら樽からの方が美味しいことが多いが、 そうでもない場合もあるのが面白いところ。

カフェ Cafe


おごりおごられつつ飲むのがベルギーのカフェでの流儀
ベルギー国内で、簡単な食事とアルコール飲料を含んだドリンク類を飲ませてくれる店を示す言葉は 千差万別である。 Cafe, Bistro, Tea-Room, Brasserie, Bar, Bierhuis, Biercafe など 数え出したらきりがないが、 これらの名前による店の種類の違いは全く無いと言って良い。 一般名詞的に使うなら、カフェCafeが最も有力であろう。 カフェと言ってもコーヒーに凝っているところはほとんどない。

どんなにビールの品揃えが貧弱なカフェでも、たいてい10種類はビールが 置かれている。40で普通。70でまあまあ多い。100あれば、 すばらしい店の一つに違いない。 ただあまり数が多いのも、ビールの品質管理をしっかりしないと 問題かもしれないが、ビールの数が多い店はたいてい品質の管理も しっかりしている。

さて、カフェではおごりつおごられつつ飲むというのがベルギー流である。 あちらの人からもこちらの人からもおごられ、 おごられた方もおごり返すので、カウンターのテーブルの 上がビールだらけになってしまうことも珍しくない。 ただし、おごる場合、その人がすでに飲んでいる物をおごるか、 おごる前に「何にする?」と聞くのが基本である。

ビール下さい

よく、「ベルギーでは『ビール下さい』ではなく銘柄で注文して下さい。」 と言われるが、この言葉は全く正しい。 たいていの店では、「樽からの」ピルスナーを必ず用意していて、 もし「ビール」とだけ頼むなら、 100%このピルスナーが出てくるだろう。 店の人が気を利かせて「どのビールにしますか?」と 聞いてくれるかもしれないが、たいていの場合は そのままピルスナーが運ばれてくると思う。 つまり、ベルギー独特のビールを楽しむつもりで 「ビール」と頼んでも、出てくるのは世界中どこでも 飲めるピルスナーなのである。 もし本当にピルスナーが欲しい場合も「ビール」ではなく、明確に 「ピルスナーが欲しい」と言った方が良い。なお、オランダ語のベルギー方言ではピルスナーは、ピント(pint)かピンチェ(pintje)である。

ラベルのオランダ語

ベルギービールのラベルは、英語も併記されている場合もあるが、たいていはオランダ語(フラマン語)とフランス語で書かれている。このため、何が書かれているのかよくわからないことが多い。フランス語については得意な方々にお任せすることにして、ここではラベルで良く見られるオランダ語についてその意味を記しておこう。

単語・句など
オランダ語表記 発音(カタカナ) 意味
amber アンバー 琥珀色の
blond ブロンド 黄金色の
donker ドンケル 濃色の
driemaal gegist ドリーマル・ヘヒスト 3回発酵させた
gebotteld ヘボトルド 瓶詰めされた
gebrouwen ヘブロウウェン 醸造された
gerijpt in elken houten vaten ヘレイプト・イン・エルケン・ハウテン・ヴァーテン 木の樽で保存された
gist ヒスト イースト
hergist(ing) in de fles ヘルヒスティング・イン・デ・フレス 瓶内再発酵
hoge gisting ホーヘ・ヒスティング 上面発酵
hop ホップ ホップ
lage gisting ラーヘ・ヒスティング 下面発酵
mout マウト モルト
nagisting op(あるいはin) de fles ナヒスティング・オプ・デ・フレス 瓶内再発酵
natuurlijk ナチュールレク 自然な
ongefilterd オンヘフィルタード 濾過していない
op basis van ... オプ・バスィス・ファン... ... をベースにした
schenktemperatuur スヘンクテンペラチュール 注ぐ温度
smaak スマーク 風味
suiker セイカー 砂糖
tarwebier タルヴェビール 小麦ビール
volgens traditie フォルヘンス・トラディシー 伝統に従った
用例

Speciaal bier van hoge gisting 上面発酵の特別なビール

Bier van hoge gisting met nagisting in de fles 上面発酵でかつ瓶内で再発酵させたビール

Hoge gisting met natuurlijke nagisting op de fles 上面発酵で、瓶内で自然な再発酵をさせたもの

Bier van hoge gisting, gerijpt in elken houten vaten 上面発酵で、木でできた樽に貯蔵したビール

Tarwebier met nagisting in de fles 瓶内再発酵の小麦ビール

Oud bier ongefilterd 濾過していない古風なビール

Gebrouwen en gebotteld door Brouwerij XXX XXX醸造所で醸造・瓶詰めされた

XXX bier wordet liefst geschonken tussen 5°en 6°in zijn traditioneel glas XXXビールは5度から6度の間の温度でオリジナルのグラスに注ぐのが最もよろしい

Echt kriekenbier op basis van Vlaams oud bruin フランデレンのオールドブラウンをベースにした本物のクリークビール

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KENMOCHI Hideki <hideki@kenmochi.com>