Brouwerij Liefmans
リーフマンス醸造所

東フランデレン地方では、茶色い色の酸っぱいビール(オランダ語でOud Bruinなどと呼ばれます)がよく作られていますが、リーフマンス醸造所はこのビールを作っている代表的な醸造所です。東フランデレン州の南のオウデナールデ(Oudenaarde)という町にあります。オウデナールデの人口は約6000人で、第2次大戦前までは6つの醸造所がありましたが、今はリーフマンス醸造所を含めて3つしかありません。

醸造所がいつ設立されたかどうかについてはよくわかっていません。しかし、少なくとも1679年には醸造が行われていたことが確認されています。1970年に英国のVAUXに買収されましたが、1990年以降はデンテルヘム(Dentergem)のリヴァ(RIVA)グループの傘下に入っています。1960年ごろには65人もの人々がこの醸造所で働いていたのですが、省力化が進み今ではわずか6〜7人です。


現在では博物館になっている部分
現在ではリヴァの傘下(というよりも一部門)になったため、ビール醸造の全工程がこの醸造所で行われるのではなく、発酵から後の過程だけがここで行われています。つまりそれより前の段階(マッシング、ホップ添加、冷却など)はリヴァ醸造所で行われているというわけです。逆に、同じRIVAグループに属するストラフェヘンドリック(Straffe Hendrik)の再発酵がこの醸造所で行われています。

リヴァ醸造所でつくられた麦汁は、タンクに入れられてリーフマンス醸造所まで運ばれ、発酵、熟成、瓶詰めが行われます。現在でも、マッシングや冷却の設備が残っていますが、そこの部分は博物館になっていて、見学者に説明するためだけのものです。


銅製の大きな醸造槽
さて、発酵は銅でできたまるでプールのような巨大な発酵槽で行われています。見るからに昔ながらの設備ですが、今でも実際に使われているそうです。この発酵槽の上部にはこれまた巨大な包丁状のへらが付いています。このへらを2人がかりで動かして、発酵中にビールの上面にたまった酵母を掻き出すように除去します。なお、この発酵槽は全くオープンで蓋も付いていません。これでは雑菌や野生酵母などが入り放題だと思うのですが、それをどのようにして解決しているのかは聞けませんでした。


リーフマンス醸造所でつくられる数々のビール
できあがったビールはさらに低い温度のタンクで熟成された後、瓶に詰められます。有名なハウデンバンド(Goudenband)などのビールにはコルクの栓が用いられます。ハウデンバンドは出荷する際に紙で包装がなされます。

年間の生産量は36,000hlで、代表的なビールはハウデンバンド(Goudenband)、リーフマンスクリークビール(Liefmans Kriekbier)、リーフマンスフランボーゼンビール(Liefmans Frambozenbier)などです。ハウデンバンドには、1999年限定でMilleniumバージョンも出ました。


ガイドのボランティアのAndre Maesさんと
見学後には同じ建物内にあるカフェで試飲ができます。このカフェの内装は新しくきれいですが、良く見ると古い醸造所に用いられていた冷却用のパイプがカウンターにあしらわれているなど、いろいろなところに凝っているなという印象を持ちました。右の写真の横に走っているたくさんのパイプがその冷却用パイプです。

1999年9月15日訪問
1999年12月28日記


皆さんからの情報

Brouwerij Liefmans

Aalststraat 200, B-9700 Oudenaarde

TEL: +32 55 31 13 92
FAX: +32 55 31 94 86

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KENMOCHI Hideki <hideki@kenmochi.com>